暗闇がこわい
暗闇がこわい。
真っ暗な部屋は好きだった。
いつからだったか忘れたが、一人で寝るようになって、電気をすべて消して真っ暗にしてみた。するとどうだろう。天井も壁も手も見えなくなって、カラダの境界線が曖昧になってどんどん広がっていく気がして、それが楽しかった。
それ以来、寝るときはすべての電気を消すのが習慣になった。
それから大人になって、夜の山を車で走らせていた時、外灯も何もなく本当に真っ暗な道があった。べつにヘッドライトは消していたわけではないけれど、まさに漆黒とも呼べるようなマットな黒に囲まれた時、とても鳥肌が立った。一刻も早く山をおりて、ちょっとでも明るい場所、他に車が走ってるような道に出たかった。
また、ある時は夜の海岸に行った時があった。水平線は見えない。陸から離れるにつれ、本当に真っ暗な世界が広がっていた。この時もとても怖かった。
いつか満点の星空を見たいと思っているのだけれど、それは暗闇と隣り合わせな世界なわけで、ちょっとしたハードルになってしまった。
みなさんは暗闇は平気ですか?